ごあいさつ

お客様へ ―ルーツは麹づくり―

山元醸造株式会社 代表取締役社長 山本衛

当社の起こりは、今から245年前の安永元年(1772)に、先祖の室屋長兵衛が、加賀藩領越中高岡の横田町で麹屋を営んだことに始まります。室屋とは麹を作る家のことです。爾来、味噌醤油を中心とした発酵食品の製造販売に事業を進展させて参りました。

近年、私たち日本人の食生活は大きく変化しました。生活様式が洋風化し、食習慣が多様化・簡便化して、伝統的な発酵食品の消費は減退しているのが現状です。しかし、一方で、欧米等の海外では日本の発酵食品の消費は急速に伸びてきています。

「味噌汁のみの医者要らず」という古いことわざに象徴されるように、味噌などの発酵食品は医食同源の根幹、長寿大国日本の要因のひとつが伝統的発酵食品にあるとの見方が海外でも定着しているのです。

日本の発酵食品は、麹の働きによって造られます。麹の育成を支えるは次の三要素です。

1) 気候風土 (水、四季、湿度等)
2) 伝統、歴史(発酵蔵、蔵癖)
3) 技術 (職人技、手をかける)

特に水は麹づくりの何よりもの決め手です。

富山は雪が多く降るおかげで良質な地下水が豊富です。標高の高い山岳地から富山湾までの高低差の激しい地形のために、水は淀むことがなく清澄です。また、四季の変化が明瞭で、しかも年間を通して常に湿度が保たれています。そうした富山独特の気候風土に、当社の麹づくりは支えられて参りました。

そして、富山の大地に育まれた農産物の実り、先人たちが築き上げてきた伝統技法と深いこだわり、年中行事や人生儀礼とそれにまつわる食文化を尊重する保守的な地域性等、私どもを取り巻く、この土地ならではの恵みを背景とし、社業を長年月にわたり継続させて参りました。

世界に冠たるスローフーズ、日本食の礎は麹にあります。

社業のルーツが麹づくりにあることを強く自覚し、より美味しく、より安全で、より良質な製品づくりに一路邁進することが当社の使命です。加えて、老舗にありがちな歴史伝統に安住することなく、当社の理念を次世代にしっかりと伝承させて参ります。

最後に、現代の科学でも解明し尽くすことのできない効用を持つ、魔法のような発酵食品が、いついつまでも世界中で愛され続けることを祈念し、挨拶の結びとさせていただきます。皆々様には、今後も変わらぬご愛顧と、ご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

社長から皆様へのご挨拶(工場見学用の資料)はこちら