・柿酢
水島柿
 柿酢は日本には珍しいフルーツビネガーです。甘い柿を発酵させ柿酒を、そしてさらに発酵を進めて柿酢を作ります。富山では古い時代から柿酢を作る習慣があったようで、おのおのの家で口伝えに柿酢の作り方が伝承されてきました。味にも作り方にも作る家により差異があるようです。
「(柿酢の作り方は)そんな難しいものではないですちゃ。」とおだやかなお人柄の赤星光信さん。赤星さんは山田村で柿酢づくりをしておられます。赤星さんの作る柿酢は、柿が本来もっている天然の栄養分、ビタミンC、カロチン、タンニン、ミネラルなどがたっぷり入った自然食品です。水は一滴も使わず柿をしぼったエキスのみでできているところが米酢とは大きく異なるところです。柿100%の発酵食品なのです。
 赤星さんに柿酢の作り方を聞いてみました。天然発酵にこだわり、自然な発酵の力に余計な手立てを加えず「じっくり発酵を見守る」のが赤星流です。柿酢の仕込みは1年に1回、11月に行います。
収穫 水島柿など生食用の甘柿を使う。十分に熟したもので熟れすぎていないもの。
割砕 へたを取り除き、柿を潰し割砕する。漉して種を取り除く。
仕込み 漉した柿をタンクに投入し、酵母菌を打つ。
一次発酵 発酵が始まると気泡がふつふつと立ち、発酵熱が出始める。寒い日には暖を取りながら発酵させたほうが発酵は順調に進む。酒用圧搾機「ふね」で布袋に柿もろみをいれ搾る。アルコール度を測定しアルコール度が低すぎれば酒精を足したりして発酵の手助けを行う。途中何度か攪拌する。アルコール発酵が進み、柿酒ができる。
二次発酵 発酵が落ち着いたら雑菌が混入しないように密封して春までじっくりゆっくり発酵を待つ。柿酒は酢酸発酵により酢に変化する。
火当て殺菌 柿酢に75度まで熱をかけて菌を殺し発酵止めをする。
折引き 静かに寝かせて不純物を沈殿させる。
濾過 上澄み液を取り濾過すると清澄な柿酢が出来上がる。
 柿酢は蜂蜜・レモンを混ぜて5〜6倍の冷水で割って飲んでもおいしいですし、酢の物やドレッシングなどのお料理に使ってもおいしいです。また、夏は夏ばて、冬は風邪の回復にもよく効きます。柿酢があれば医者いらず。「富山の薬」にまけないほどの効力があります。
さて、山田村は富山では長寿村として知られています。自然豊かな山田村の生活環境もさることながら、昔から山田村の人々が柿酢を食生活にうまく取入れてきたことが長寿の秘訣なのではないでしょうか。山田村の大自然と柿の職人赤星さんによって育てられた、越中産の和製フルーツビネガー「柿酢」をどうぞよろしく。柿酢には神秘のパワーがあるようです。
山田村特産品組合   山田村湯718    電話076-457-2206

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