X高岡宵祭りの見どころ          ―人と人とのふれあいの祭り

 5月1日は高岡市最大のお祭り御車山祭りです。薫り高い桃山文化を今に伝える7基の御車山が古式ゆかしく町々を巡行します。宵祭りは4月30日の晩に行われる前夜祭で、山宿当番の家で御車の神代(かみしろ)に魂を呼び入れる入魂式が行われます。そして、明日の巡行の無事安全をお祈りします。儀式を終えると祭りに携わる人たちが和やかに語らいあって楽しいひと時を過ごします。宵祭りは晴れ晴れとした山車巡行とは対照的に静かな味わいある祭りです。夜の闇の中、提灯のあかりのもとで行われる幻想的な宵祭りには独特の風情があります。御車山を装飾する工芸品の数々をゆっくり眺めたり、山町の方たちから祭りの由来を伺ったり、振舞い酒をいただいてお祭りの輪の中に入ったり。昨今は、この宵祭りをめあてに観光に訪れるお客も多いそうです。
各山町の提灯や幕には独特の紋が施されており表紋裏紋の二種類がある。装飾的で華やかな表紋に対して裏紋は単純で幾何学的。それぞれの紋の由来は定かではない。
上左 御馬出町丸に三つうろこ紋
上右 通り町鳥かぶと紋
下左 守山町いぬき紋
下右 小馬出町ちきり紋
神主さんによる入魂の儀式が終わると、神の依り代である人形たちの、顔を覆っていた布がとられる。活き活きとした人形たちの表情は、一年間この日を待っていたかのよう。写実性の高い生き人形は高岡御車山の特徴。 (通り町唐子人形)
(小馬出町上幕押金具) カブト虫・かたつむり・かえる・はち・蜘蛛・とんぼなどをモチーフにした装飾は大変珍しいもの。写実性に富んだ繊細な技法にため息がでる。象嵌・打ち出し・透かし彫りの技術を駆使。
木舟町車輪金具 鳳凰 
二番町車輪金具 菊 桐
御馬出町高欄 木彫馬具彩色仕上げ
御馬出町高欄 雪山と笹の絵
抽象的な画風
守山町高欄 躍動感ある燕
一番町高欄 能の舞い道具
静物画のような構図
 御馬出町前幕仙境図綴れ錦織      守山町古幕 三種類の布をはぎ合わせたもの
   古い時代に使われていた幕を古幕、先の時代まで使っていた幕を前幕といっている。
小馬出町幔幕春秋舞楽模様綴れ織
昭和55年に新調
小馬出町古幕 
十字架をあしらったもの
加賀キリシタンの足跡か
通り町鉾留 とりかぶと 
巡行では御車山最上部で燦然と輝く。近くでみるとその大きさに圧倒される
翌日、いよいよ巡行。宵祭りでは、ばらばらに飾られていたパーツが華やかに組み立てられている姿に感動。
養命丸薬舗蔵の前で撮影。
曳き手さんたちも衣装半纏を着付けると昨晩とは別人のよう。カメラを向けると照れくさそうに会釈してくれた。
二番町 曳き手衣装 
相輪背模様山型すそ模様

平成15年4月30日・5月1日取材


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