.高岡御車山祭
 毎年5月1日、高岡御車山が古式ゆかしく市中を曳きまわされる。慶長14年(1609)の高岡開町の時代から、連綿として受け継がれてきたこの祭りは、国の有形無形民俗文化財の指定を受ける。御車山のルーツは、加賀藩初代藩主前田利家が太閤豊臣秀吉より拝領した乗り物にあるという。後に二代前田利長が引き継ぎ、高岡城築城の際に高岡町人に与えた。町人たちの手によって今日まで修繕や改装を加えながら大切に伝承されてきた七基の曳山は「御車山(みくるまやま)」と呼ばれ、その祭りは高岡市民の大きな楽しみであり誇りである。 
下 七基そろった曳山の鉾止 高岡市荻原敦さんの撮影
 祭り前日の夕刻、二番町の町人たちが高岡関野神社に神のお迎えにいく。箱に入った神の御魂が、たそがれの中、提灯・町のこども・楽人・御幣の先達に導かれて運ばれる。なんとも、味わいのある風景だ。
二番町の神の依り代は、赤い鳥居にとまっている夫婦一対の烏だ。烏のくちばしに、神主が御幣を結びつけ祝詞の奏上が始まる。二番町の守護神である2羽の烏は、「熊野権現」の使いだという。この二番町の入魂式を皮切りに、ほかの山町(やまちょう 曳山を保有する町)でもそれぞれに入魂式が行われる。
 「宝庫」の扁額がかかった二番町の鳥居。御幣をくわえた烏が2羽とまっている。
 格式ある梅鉢紋の衣装。ほかの6基の曳山の車輪がそろって皆4輪であるのと異なり、二番町の曳山だけは2輪。また、ほかの6基には神の依り代として人形を本座とするが、曳山に二番町の人形はなく、千枚分銅を本座とする。
二番町曳山の細部。特にナゲシ(中央写真)の立派さはほかの6基の曳山にはみられない特長。二番町の曳山こそが、秀吉より下賜した乗り物の原型をとどめているとの説もある。
 熊野権現を祀る極楽寺に参拝する二番町の曳山。加賀藩主の信仰厚く越中宮の異名を持つ。
高岡関野神社
極楽寺
大門町密蔵寺
 二口熊野神社の社伝によると、慶長14年(1609)に大門水戸田の熊野山中に鎮座する熊野社(現密蔵寺の場所にあった)を前田利長が高岡に遷した。その熊野社が関野神社のルーツだという。高岡御車山祭は、熊野信仰ゆらいの祭りだと地元では考えられている。
高岡御車山関連のホームページ
御車山を守り続ける山町の住人が紹介します
町並浪漫 
http://yamacho.takaoka.net
菅野家住宅
http://www.takagas.co.jp/suganoke/
山町筋和三郎
http://www.e-inaka.info/takaoka/
古式にのっとり、かみしも姿で正装した人たち
巡行路の曲がり角で方向をかえる曳き手さんたちの勇壮な姿
高岡市荻原敦さんの撮影 おぎおぎハウス http://www.nsknet.or.jp/~a-ogi/
 方向変えは一番の見せ場。後部で体を浮かせバランスをとる曳き手さん。うまく車体が廻ると観客から拍手喝さい。
横浜デジカメアルバムの飯田浩一さんの撮影 
Photo KOUICHI IIDA http://www.yokodigi.com
美しい衣装の幔幕は町それぞれの個性に富んだもの
曳山の上の様子
天高くそびえる鉾止め
 
質の高い漆芸と金工芸は高岡御車山の特徴のひとつ

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