−高岡で一番おいしいお水―
 夏の暑い日、有礒宮御用水のまわりでは、子供たちの元気な歓声が響きます。プールで泳いだ帰り道、子供たちはこの御用水に立ち寄り、冷たいお水でのどを潤しているのです。その光景を見守るおとなたちにも、子供のころ同じ様にしてこのお水をいただいた懐かしい思い出があります。
 御用水の傍らの立て札には、次のようにこのお水の由来が記されています。 「明治42年に皇太子殿下(後の大正天皇)が高岡に行啓遊ばされた折に、高岡で一番おいしいとされた当宮のお水が殿下に献上されました。以来、御用のお水[御用水]と呼ばれています。」  皇太子行啓の際には、高岡のいくつかの井戸のお水が献上用の候補にあげられました。念入りな吟味と検査の結果、ここ横田町有礒宮の御用水が「高岡で一番おいしいお水」に選ばれたのです。ご炊飯用、お料理用など全てこの御用水が使われたそうです。
 横田町は古来より良質で豊富な地下水に恵まれた町でした。その水を利用し古くから染色業、酒・醤油・味噌・酢などの醸造業、豆腐・麩などの食品加工業が発展しました。弊社の醤油・味噌の生業も、横田町の地下から湧き出るおいしい水のおかげです。水に心から感謝します。そして、私たち氏子を見守って下さっている有礒の神様に、有り難うございます。
有礒宮奉納の高岡地酒荒野酒造の「日本晴」。
杜氏を起用せず荒野社長自らが仕込むこだわりの地酒です。

平成15年4月初旬、有礒宮本殿より撮影。しだれ桜が今年もきれいに咲きました。鳥居は江戸時代に地元の染色業者たちが奉納したもの。神社を巡る石垣はなんと高山右近ゆかりの築城石垣です。有礒宮は金屋町の鋳物師たちの信仰を集める神社でもあります。

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