(ス)昆布料理の起源は節約術

 そして、この昆布交易で沖縄や富山には、薩摩藩や中国商人に「不良品」と見なされ引き取られなかった昆布が残されたのだそうです。もったいないので私たちの先祖は昆布を食べる工夫をしました。これが「昆布のとれない」地方の「昆布を食べる食文化」の始まりです。
「あっちゃ、おとましい。ほっぱらんとたびょーまいけ。(あら、もったいない。捨てないで食べましょう)」と「産業廃棄物」の昆布をリフォームしておいしい料理に仕立てた節約術こそが、昆布料理の起源なのです。沖縄と富山のたくましく、しっかり者のおっかちゃんたちの栄えある功績といえるでしょう。昆布は、沖縄では沖縄の富山では富山の風土と調和しながら、それぞれに個性ある形でその地の郷土料理に根を下ろしました。そして、今もおふくろの味として地元の人々に元気を与え続けているのです。
昆布漁で浜にあげられた昆布は一本一本丁寧に伸ばして干される。北海道羅臼町

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