追記 勝興寺の邪鬼
 現在の勝興寺本堂は、寛政7年(1795)に、加賀藩11代藩主前田治脩の助成で再建されました。本堂は、明治後期に一度改修が行われましたが、老朽化が激しく、平成10年度から7年をかけて本堂の修復工事が行われました。これは、20年計画で進められている勝興寺諸堂の保存修理の第一期工事にあたります。
 修復工事の過程では、多くの新発見がありましたが、そのひとつが、本堂の屋根の東西南北四隅に施されていた邪鬼です。従来、勝興寺の七不思議のひとつに「屋根は、猿が支えている」という伝説がありましたが、実際確認してみると、猿ではなく、邪鬼だったのです。
 「う、うっ、重たい」って顔していますね。とても、恨めしそうです。
本堂の屋根の四隅を邪鬼は、方位の魔除けとして注目されます。京都東寺の五重塔や奈良法隆寺の五重塔の初重の屋根の四隅にも魔除けの邪鬼は見られます。これも、仏教思想と融合した風水術のひとつなのでしょう。

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