第二回 高岡市の学校給食 −地産地消と食文化の伝承−

今回も営業部立浪の取材です。
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学校給食といえば、去年2003年10月11月のべにずわいがに給食。話題になりましたよね。もう一回小学生に戻りたくなりました(笑)。私たちの世代の学校給食といえばアルマイトの容器にコッペパンという感じでしたから。信じがたいような話です。
立浪
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6年生の思い出 カニ給食 黙々とおいしいカニ
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新湊漁連さんが、ベニズワイガニ 約3000匹が寄付されて実現しました。新湊漁協さんでは「地元のカニのおいしさを知ってもらおう」と高岡市・新湊市の小学6年生に両足を広げると50〜60センチもあるカニ1匹ずつをプレゼントしたんです。漁連関係の人から直々に、かにの食べ方の指導もあって、子どもさんたちは郷土の味を楽しんだようです。実際にカニを見るまで、「本物のカニがでるのかなぁ」と半信半疑の子もいて、かにが教室に運びこまれたときには子どもさんたちから大きな歓声があがったそうですよ。
大人でも歓声がでますよね。
ほんと、うらやましい。いいなぁ(笑)。 6年生のよい思い出になりましたね。
立浪
もうひとつうらやましい話なのですが、高岡市の小学校では漆器のトレーが学校給食に導入されているんです。子どもさんたちに高岡漆器に親しんでもらおうと高岡の漆器職人さんたちが作ったもので、漆器トレーは行事食のときなどに大切に使われているそうです。7回も塗りを重ねた本格的なものです。漆器の扱い方も教えてもらっているそうですよ。漆器を学校給食の食器の使っている例は那覇市の琉球漆器、輪島市の輪島塗、会津若松市の会津塗などがありますが、いずれもお椀でして、漆器トレーというのは高岡漆器のオリジナルだと聞きました。手仕事のぬくもりが伝わってくるようでいい感じでしたよ。
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左 漆器トレー 何度も試作を繰り返し完成した。反りにくい、水切りがよい、
収納の際に重ねやすいなどの条件が考慮されている。物を大切にする習慣も身につけてほしい。(高岡漆器組合)
右 子どもたちは地元の伝統工芸である高岡漆器について学習。
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へぇーとしか言葉がでない(笑)。
今、全国的な規模で地産地消運動が起こっていますが、高岡市の学校給食のこのような取組みもその一環のものなのですね。
立浪
そうです。今回は高岡市の学校給食の栄養士さんに地産地消の取組についお話を伺ってきたのですか、ただ単に地元でとれた安全で、品質よいの食材を給食に使用するという意味にとどまらず、「郷土料理の伝承」「食事マナーの定着」「バランスのよい食生活の習慣づけ」「郷土愛を育てる」などとてもとても広い意味があります。
最近の子どもたちは、核家族の中で育っている子が多くまた、洋食化・外食化・レトルト化が進んでいて昔ながらの郷土料理に親しむ機会も少ないのかもしれませんね。郷土料理には先人たちの知恵がたくさん詰まっていますから、学ぶところが多いですよ。子どもたちの健康な体づくりは郷土料理からだと思います。
立浪
高岡市では毎月一回「郷土料理の日」というのがあって全国各都道府県の郷土料理を順番に給食に取り入れているそうです。ところが、お子さんたちの評判は微妙なところらしいです。
| 郷土料理のメニュー例 |
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北海道郷土料理の給食
ごはん・牛乳 北海汁
タコザンギ 青菜のごまあえ
夕張メロンゼリー |
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沖縄郷土料理の給食
クファジューシー 牛乳
グルクンのからあげ
ツナチャンプル もずく汁 |
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うちの子どもたちも、やっぱりオムライス・カレーライス・ハンバーグが好き。親が味噌醤油メーカーで仕事しているのに(笑)。
でも、続けることが大切でしょうね。やがてお子さんたちの舌も肥えて、素材を生かした伝統食がおいしいと思うようになりますって。食わず嫌い。食の体験が乏しいのです。それにしても、いろいろユニークな取組をしておられるのですね。
立浪
家庭で伝承されにくくなった郷土料理を学校給食が代わってお子さんたち伝えていこうというだけでなく、お子さんを通して各家庭に郷土料理のよさを伝えようともしておられます。たとえば高岡市では毎月の給食だよりに郷土料理や郷土の食材を使った創作料理のレシピを掲載して各家庭に配布しています。高岡市の隣、砺波市ではインターネットを通じて郷土料理を中心としたレシピを配信している栄養士さんもおられます。食の伝承に懸命に取組んでおられるなぁと思いました。学校給食が地域の食文化の継承に果たす役割はこれからますます大きいと感じました。
砺波市学校給食センターホームページ
http://www.city.tonami.toyama.jp/shisetsu/kyushoku/kyushoku.html
参考.「粕汁」のレシピ 地域の地酒蔵元の酒粕を使用。2004年2月24日実施
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油揚げは3cm幅にし、1cm位に切る。 |
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大根は4つ割りにし、5mmの厚さに切る。 |
| (3) |
にんじんは大根より少し小さめの大きさに切る。 |
| (4) |
ねぎは小口切りにする。 |
| (5) |
里芋は大きいものなら半分にし、小さいものならそのまま1cmの厚さに切る。 |
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ごぼうはささがきにして、水につけアクをとる。 |
| (7) |
鍋に頭と内臓を取り除いた煮干しを入れ、だしをとり、大根・にんじん・里芋・ごぼうを入れ煮立て、にんじんが柔らかくなったら、油揚げと酒かすを入れる。 |
| (8) |
みそを溶き入れ、味を調える。 |
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栄養士さんたちの努力はすばらしいですね。学校から帰った子供さんが「今日の給食美味しかったからまた作って」とおかあさんに伝え「じゃ、栄養士さんのホームページで調べて作ってみるね」なんていうシーンが目に浮かんできます。うちのホームページの郷土料理コーナーもがんばらなければ。
立浪
はい。
地産地消の取組では悩みもあるそうなのです。富山では近世の藩政時代から米づくりに偏重した農業が営まれてきたのですが、それが今でも引き継がれていて野菜の収穫量が他県に比べ少ないそうなのです。それで、学校給食で使う野菜を全て地元産のもので調達するのが最初、難しかったそうです。
そうなんですか。それは知りませんでした。さすが米王国富山ですね。
立浪
ですが、学校給食で使用する野菜の量は年間計画をたてて、分かっているのでその分の調達を農家と契約してもらい地元調達できるようにしているそうです。地元農業の育成にもつながっています。
農家の方も納品できる量がわかっているというのはうれしいことですね。山元でも味噌を学校給食に納品しています。昭和32年に学校給食が開設されてから45年余りにわたって味噌を納品させていただいているわけですが、現在は砺波平野でとれたエンレイ大豆とコシヒカリ米を使用した味噌を納品しています。地産地消の取組にかげながら協力できるのはうれしいことですね。
立浪
全国的に食のグローバル化が進む中、一方では学校給食のような地域でとれた食材を地域で消費し、伝統的な食文化を守っていこうという動きがあります。これは、非常に有意義であり、また地方の生産者・製造者にとっては喜ばしいことだと思います。
(平成16年 2月 取材:立浪 康広 聞き手:山本 和代子)
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